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2008年 01月 31日
鈴木、蝉、鯨という3人の視点で綴られる物語。
「グラスホッパー」はバッタのこと。 ごくごく一般人であった鈴木は、亡くなった妻の復讐を果たすべく、物騒な世界へと身を投じる。目標のために様々なものを捨てながら進む鈴木だが、大きな壁にぶち当たる。そこから始まります。 鈴木は復讐に駆られた以外は普通の人間で、特別な力を持っていない。それに対し蝉や鯨はソッチの世界の人間。また、物語に関わるのは一癖二癖ある人物ばかりで、特に重要そうでもない人がやらかしてみたりと、最後まで気が抜けません。 相変わらず、終盤の伏線回収は見事の一言です。数百ページの中に無駄な描写は一切無いんじゃないかと思わせられるのは、伊坂作品の大きな特徴ではないでしょうか。 評:★★★★☆ 殺し屋とかがゴロゴロ出てくるので、他の作品と比べると現実離れ度合いが大きめ。現実との接点が鈴木しかありません。分類するなら陽気なギャングが地球を回すと同系で、血生臭さがプラスされた感じになってます。
by irof
| 2008-01-31 10:15
| 本
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